中村祥子さん

先日、Kバレエカンパニーのラ・バヤデールを観に行って来ました。

私が大好きなダンサー、中村祥子さんが主演だったので観に行く事ができて本当に幸せでした♡

セットが素晴らしくて、特に2幕では突然大きな部屋が現れたようなセットに驚きでした。
考え尽くされた舞台装置に、お衣装の美しさ。
熊川哲也さんの凄さを感じました。

そしてコールドバレエの息を呑むような美しさ。
24人のダンサーがぴったりと一糸乱れず動く様は本当に素晴らしかったです。


中村祥子さんは背が高く、手脚が長く、美しいラインで、綺麗でかっこいいんです。
どんな役柄も本当に美しくて、祥子さんが舞台に登場されると客席の空気が澄んだ感じになると言うか、締まるというか…
客席全体が祥子さんのオーラに惹きつけられて祥子さんの動きに魅入るような感じ。
祥子さんの舞台を観たあとはいつも放心状態と言うか、物語から抜け出せないまましばらくふわ〜っとしてしまいます。


写真の通り、ずっと持ち歩くものにサインをして貰いたかったのでiPhoneにお願いしたのですが、先生の1番好きなダンサーは中村祥子さんと生徒たちにも話しているので笑
生徒たちにサインを見せると生徒たちまで喜んでくれました♡笑
目の前に祥子さんの来てくださったときはもう心臓が取れるんじゃないかと思うくらいドキドキしました。
名前は?と聞いてくださって、書いて下さいました。
話し方もとても優しかった…♡

そして、この日は客席では斜め前の席に熊川哲也さんが!!
普通に客席に居るだけでもやっぱりオーラがすごかったです。
真っ暗の客席に居るのに光ってました。



昔むかし、私がまだ銀行でも働いていた頃の話です。

祥子さんはずっと海外で踊られて居たので、日本で踊りを拝見出来る機会は中々なく、ついに見ることが出来る!となったのが、ある年のローザンヌガラの大阪公演でした。
しかし、その公演の前日から銀行の支店にまさかの監査が入り…
1週間毎日残業が確定し、絶対に観に行けなくなってしまいました。
捨てるのは勿体無いのでチケットは母に譲り、公演当日も私は銀行で残業。
 
しかしどうしても諦めきれずに、残業が終わり次第必死で会館に向かいました。
到着したとき、丁度祥子さんの1つ前の演目が上演されている最中。
ですがチケットは母にあげてしまったし、必死すぎてチケット代まで頭が回ってなくて手持ちがなくて当日券も買えず…
アタフタしている私に会館の方が事情を聞いてくれたのですが、どうしても祥子さんの踊りが観たかった…と話しながら涙が溢れて止まらなくなってしまったんです。
 
すると、会館の方が
「チケット代は終演後でいいから、とにかく観ておいで!!」
と言って、客席に入れてくれたのです!!!
奇跡だと思いました。
 
私はその日ついに初めて念願の祥子さんの踊りを目の前で見ることが出来ました。
 
あの日見た祥子さんの踊りは今でも深く目に、心に、焼き付いています。
 
 
私が起こした珍事件( ̄∀ ̄)
あの日の会館の方の計らいには今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
普通ならチケットを持ってない子を客席に入れるなんて出来ませんよね。
あの日、祥子さんのお腹には新しい命が宿っていて、少しふっくらしたお腹で踊られて居ました。
パートナーであるご主人のサポートの優しさにも感動したのをとても覚えて居ます。
祥子さんを回すときの手の添え方までもがとても優しかった。

初めて見た祥子さんの踊りは感動とたくさんの温かさと涙でいっぱいでした。

日本に拠点を移されたので、これからは色々な作品を見られると思うと嬉しくて堪りません(○´艸`)
レッスンがあるので、行けるものは限られますが、見られるだけ見たいな♬

一応ですが、もちろん終演後きちんとチケット代はお支払しました。

私は昔から自分が踊るのと同じくらい舞台を観ることが好きです♡
いくら映像技術が上がったと言え、やはり生の舞台にしか感じられないことがたくさんあります。
ダンサーの生の呼吸。オーラやダンサーから出される空気は、映像では全ては伝わりません。
本当に生じゃないとだめ。
オーケストラの演奏も、生のものはやっぱり違います。
バレエと言う総合芸術を劇場では五感全てで感じることが出来るのです。
ダンサーの踊りを観るだけじゃない。
オケの音楽だけじゃない。足音や呼吸さえも。
会館ならではの匂いも。
音楽も拍手も身体で感じる。
自分の心が動かされ、心から溢れるもので必死で拍手したときの手の感覚。

生徒たちにも舞台はできるだけたくさん観て欲しいです。
舞台を観ることで学ぶことはたくさんある。
舞台を観ないと学べないこともたくさんある。
ダンサーの演技で涙を流すこともあります。
装置やお衣装の美しさで息を呑むこともあります。
主演のダンサーだけでなく、たくさんのダンサーが居て、周りのダンサーがどれだけ大事かと言うことも。
そしてコールドバレエがどれだけ美しいかと言うことも。
たくさんたくさん感じることがあるはずです。

舞台に立つダンサーだからこそ、客席のお客様たちの立場にもなるべき。
観ている側の気持ちにもなるべき。

生徒たちには誰でもいいので好きなダンサーを見つけて貰いたいです♡
表現などは好きなダンサーの真似から入ってって言うのもありだと思います。
そこから、自分の踊りや表現を見つけて貰えればいいなと思います♡

久しぶりで長々と自分の話で申し訳ありません。
生徒たちには舞台に立つ楽しさと、舞台を観る楽しさ、両方を知って貰いたいな。
じゃないと、舞台を観るお客さまの気持ちは分からないダンサーになっちゃうんじゃないかな。
お客さまを楽しませる事を知るために、お客さま側で楽しませてくれるダンサーはどんなダンサーなのかを知って欲しいなと思います。